小児科コラム
インフルエンザ
例年11下旬から12月頃に流行しはじめるインフルエンザが、今年は9月から流行しはじめ現在大流行中です。
症状は、突然の高熱、頭痛、だるさ、筋肉痛、関節痛などに引き続き咳、鼻水が現れます。治癒まで約1週間の期間を要します。
基本的には自然治癒する「症状の強いかぜ」と言えますが、ときに肺炎や熱性けいれんを起こしたり、まれにインフルエンザ脳症などの重篤な病気に進展することがあります。
診断は、症状、周囲の流行状況、診察所見、迅速検査の結果を総合的に判断します。インフルエンザ抗原迅速検査は、ウイルス量が少ない感染早期には反応しづらいため、発熱から半日以上経過してからの検査を勧めています。
治療に抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ、イナビルなど)を使用するためには、発熱から48時間以内に服用開始する必要があります。それ以上経過すると、薬の効果がないためです。
基本的には自然治癒する疾患なので、対症療法(症状を緩和する治療)のみで様子を見ることもできます。
注意するべきは、解熱剤の使用に関してです。インフルエンザで安全に使用できる解熱鎮痛薬は、アセトアミノフェン(商品名;カロナール、アルピニーなど)だけです。解熱鎮痛薬の種類によっては、脳症と関係することが知られています。
また、保育園、幼稚園、学校へは、発熱から5日以上経過し、かつ、解熱から2日(就学前は3日)以上経過するまで出席できません。
最後に感染対策ですが、手洗い、うがい、人混みに出る時はマスク(家族が発症したときも、介護者はマスクすることをおすすめします)、そして、インフルエンザ予防接種です。
睡眠と栄養をしっかりとって、この季節を乗り越えましょう。