熊谷生協病院

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院長の挨拶

院長就任のご挨拶

この度、熊谷生協病院の院長に就任しました宮岡です。
前任の小堀院長の後を引き継がせていただくこととなりそのバトンの重さをひしひしと感じています。小堀院長は埼玉県北部の地域医療の先頭に立って、熊谷医師会をはじめ近隣の病院や医療機関との連携を重視した活動をされてきました。小児科医でありながら、小児の在宅医療のみならず、同時にご高齢者の訪問診療を行い、北部地域で必要とされている医療の発展に携わって来ました。地域の医療機関が連携し地域住民を支えていくという医療体制は我々埼玉民医連がまさに目指している医療であります。今後も同様の姿勢を保ち、熊谷生協病院および埼玉県北部地域での医療活動の発展のために頑張っていきたいと思っています。

さて、2019年の暮れから新型コロナウイルス感染の波が訪れ、その後3年間は異常な年の 連続でした。多くの人が病に倒れ死んでいったという事実は隠しようがありません。コロナ の打撃は貧困層ほど大きく、世界中に多くの格差と分断を生みました。日本では第8波が訪れ死亡者数が過去最多となり、そのほかにもクラスター発生数や救急搬送困難事例も過去最多を記録しました。感染しても必要な医療が受けられず、救急隊が搬送するべき病院を見つけられないという医療崩壊の現実を突きつけられた年でした。その背景には、日本の医療体制があまりにも脆弱であることが挙げられます。日本の医師数は人口千人あたり2.4人で、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均が3.5人であることから計算すると日本ではあと14万人の医師を養成しないと世界の平均には追いつかない状態と言えます。保健所の数も1994年に849ヶ所だったものが2020年には469ヶ所で45%も減少しています。さらに公立国立病院数は1822から1524と約300病院がなくなりました。「コロナ禍」とは医療の逼迫にほかなりません。現政権はこうした状況を打開する策もなく、逆に地域医療構想という名のもとにさらに440もの公的病院の統廃合を進めていく方針を示しています。大軍拡、大増税をするよりも、まず国民の命と暮らしを守る政治を行なってほしいと切実に願っています。

先日亡くなられた大江健三郎さんは「九条の会」の呼びかけ人となり、戦争反対と核廃絶を訴えて来ました。大江さんの文学と社会運動の両者に通底しているのは、人間性の回復を追求する姿勢だと言われています。コロナ禍やウクライナ戦争で世界が分断され、大きく揺らいでいる時代だからこそ、「自分以外の存在に想いを寄せ、弱者と共生する」大江さんの精神の根本に立ちかえるべきなのかもしれません。 私たち熊谷生協病院は、「まずみる、援助する、なんとかする。」という民医連魂をモチベーションとし皆様の命と暮らしを守るための活動を続けていきたいと思っています。

2023年4月1日
熊谷生協病院 院長 宮岡 啓介

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